外国人の方が現地又は日本の学校を卒業して、日本の企業に就職する場合、一般的に【技術・人文知識・国際業務】という在留資格を取得しなければなりません。この在留資格を取得するためにはいくつか条件があります。
・日本の会社と雇用契約があること。
そもそも就職が決まっていないと就労の在留資格は取得できません。日本の会社から「内定」をもらい、雇用契約書を申請時、提出できることが大前提になります。
・学歴を有していること。
学歴とは現地、日本の大学(大学院)、専門学校を卒業しているということです。高等学校や日本語学校は卒業していても学歴にはならないので、ご注意ください。(高卒など学歴を有していない場合の条件は『その他の外国人の就労について』をご参照ください)
・従事する仕事の内容が専門性をもっていること。
【技術・人文知識・国際業務】という資格なので、その仕事内容が専門性のあるものでなければなりません。単純な作業のような(アルバイトのような)仕事内容では取得できません。
具体的には・・
【技術】 理系の専門職 システムエンジニア/プログラマー/機械・電気関係エンジニア・・など
【人文知識】文系の専門職 営業/総務/経理/広報/商品開発・・など
【国際業務】文系の国際的専門職 通訳・翻訳/語学講師・・など
※注【国際業務】に関しては3年の実務経験が必要ですが、大学卒業者はこの限りではありません。逆に専門学校卒業者が【国際業務】での在留資格を取得するのは困難といえます。(3年の実務経験を積んでいる事例がほぼないため。)
・前記の仕事の内容が、卒業した大学、専門学校で学んだ専攻の内容と合致していること。(これが重要です!)
専攻した学歴と日本で従事する仕事との間に関連性がないと在留資格の許可はおりません。この証明は各種資料と書面でおこなうことになります。ここがクリアできれば【技術・人文知識・国際業務】の在留資格はかなりの確率で取得できると思われます。
以上の条件をクリアされている方は在留資格申請手続きへ進んでいただいてよいと思われます。申請には以下の書類の準備が必要です。
・在留資格認定証明書交付申請書(現地の学校卒業でまだ日本にいらっしゃらない方が【技術・人文知識・国際業務】の在留資格を認定されるための申請書)
または
・在留資格変更許可申請書(すでに日本にいらっしゃる方で現在の在留資格(留学など)から【技術・人文知識・国際業務】の在留資格への変更を許可されるための申請書)
・本人顔写真
・認定の場合は返信用封筒(宛先明記 404円切手貼付のもの)
・すでに日本にいらっしゃる方は現在お持ちの在留カード
・パスポート(コピー)
・本人履歴書
・卒業証明書(上記学歴があるかの証明です)
・成績証明書(上記の専門職種との関連性の証明です)
・日本語能力や資格などを証明するものがあれば有効な資料になります。
(日本語能力試験N2以上の合格証などは強力な許可への後押しになります。こちらはあればで大丈夫です)
・就職予定の会社が用意する必要書類(ご自身では用意できないので会社に揃えてもらいます。『一般的な外国人採用 手続き 申請』の中で記載しています。)
これら書類を揃えた上で、管轄の出入国在留管理局(支局)へ持参し申請します。すでに申請人が日本にいる場合は原則本人申請なので就職予定会社の人は代わりに申請には行けません(一部の会社の一部の業種には代行できるところもありますが)。申請人がまだ母国いる場合は就職予定の企業の職員が代理人として申請できますが、どちらにしても、なかなかすんなりとはいかない場合が多いです。主に以下のような理由があります。
・本人申請の場合、会社用意の書類は会社の内情を映しているものであるので、申請人本人に持たせるのをためらう会社が多い。
・本人申請の場合、出入国在留管理局担当者とは日本語でのやりとりなので細かいコミュニケーションがとりにくい
・本人も企業の職員も、書類作成に不慣れな場合が多く、出入国在留管理局が訂正や証明資料の追加提出を求めてくる場合がある。 (専攻学科と仕事内容の一致の根拠が不十分な時など)
申請取次行政書士はご本人と就職予定会社双方の必要書類を取りまとめて、ご本人に代わって出入国在留管理局(支局)に出向き申請手続きを行うことができます。また申請で最も重要な専攻学科と仕事内容の一致を証明する資料の作成、追加資料提出がある場合の対応、資料の作成も行わせていただきます。申請に関してご不明、ご不安なところがあればお問い合わせください。
外国人の方が会社や企業ではなく、外国料理の調理師として日本で働くという場合もあります。この場合は【技能】という在留資格を取得することになります。この在留資格を取得するための条件を以下に述べていきます。
・外国料理の専門店であること。
「外国において考案され、我が国において特殊なものにおいて営業する専門店」つまり、中華料理・韓国料理・タイ料理・ベトナム料理インド料理など外国料理の専門店に調理師として就労することです。日本料理店、いわゆるラーメン店、ファミリーレストランなどでの調理師としての就労では【技能】の在留資格は取得できません。またお店の規模(コース料理がある、一定の座席数がある・・・など)も必要になります。 あまり小さなお店では外国人をわざわざ就労させる整合性がないと考えられるからです。
・上記料理店と雇用契約があること。
先述の【技術・人文知識・国際業務】と同様にすでに雇用契約があり雇用契約書などの証明を提出できることが必要です。
・その外国料理の調理師としての実務経験があること。
申請人に10年の実務経験があることが必要です(タイ料理に関してだけは5年の実務経験でよい)。この実務経験期間には学校などで調理にかかわる科目を専攻した期間も含まれます。【技能】の在留資格は学歴ではなく職歴を基準として考えられます。この職歴を今までの在職証明書などで証明する必要があります。
以上の条件をクリアできれば、次の書類を準備します。調理人の【技能】在留資格の申請は申請人が現在母国にいて、採用会社が日本へ招聘する場合が多いので、その視点で説明します。
・在留資格認定証明書交付申請書(現地にいらっしゃる申請人が在留資格【技能】を認定されるための申請書)
・本人顔写真
・返信用封筒(宛先明記 404円切手貼付のもの)
・履歴書(申請に係る技能を要する業務に従事した機関および内容・期間を明示)
・タイ料理人として5年以上の実務経験を証明できる文書(タイ料理人の場合)
・初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書(タイ料理人の場合)
・申請を行った直前の1年間にタイで妥当な報酬を受けていたことを証明する文書(タイ料理人の場合)
・前職の在職証明書/公的機関が発行した10年の実務経験を証明する書類(それ以外の各国料理人の場合)
・就職予定の会社(お店)が用意する必要書類(ご自身では用意できないので会社に揃えてもらいます。
『一般的な外国人採用 手続き 申請』 の中で記載しています。)
これら書類を揃えた上で、申請人の代理人である採用予定企業の職員の方が管轄の出入国在留管理局(支局)へ持参し申請します。
申請取次行政書士にご依頼いただくと、ご本人と就職予定会社双方の必要書類を取りまとめて、ご本人に代わって出入国在留管理局(支局)に出向き申請手続きを行わせていただきます。
申請後の流れ・・
提出された書類を出入国在留管理局が審査します。(審査期間は数週間~3か月で事案によってかわります)
★すべての証明が審査の基準を満たせば、無事在留資格が許可されることになります。
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本人申請の場合、手元に審査結果通知はがきが届きます。手数料4,000円のところにチェックが入っていますので、手数料を持参の上、 出入国在留管理局(支局)へ出向き、新しい在留資格の在留カードを受け取ります。
認定の場合は申請代理人(就労予定企業の職員)に在留資格認定証明書が郵送され、母国の申請人に送付されてきまので、それとパスポート持って自国の日本大使館(領事館)へ提出。パスポートに査証を貼付してもらいます。その後在留資格認定証明書(原本)と査証を持って来日、空港の入国審査を経て、当該在留資格の在留カードを受け取ります。
↓
晴れて、希望の会社に入社。就労開始となります。
★残念ながら提出した証明が審査の基準を満たすにいたらなかったときは、在留資格は不許可(不交付)となります。
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本人申請の場合、手元に審査結果通知はがきが届きます。手数料のところにチェックが入っておらず、結果通達のため出頭の依頼が記載されています。出入国在留管理局(支局)へ出向き、不許可の結果を通達されます。この時、その理由を聞くことができます。
認定の場合は申請代理人(就労予定企業の職員)に審査結果(認定証明書不交付)が郵送されます。
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申請人はその会社での就労はできないということになります。
申請取次行政書士はご本人にかわって新しい在留カードの受け取りをし、お渡しさせていただきます。また企業様には在留資格認定証明書交付から申請人入国、就労までのアドバイスをさせていただきます。また、残念ながら在留資格不許可となった場合でも出入国在留管理局担当者に不許可理由をしっかりヒアリングし、新たな証明方法が見いだせたならば、再申請することによって許可になる可能性もあります。そのお手伝いもさせていただきます。申請後の手続き等に関してご不明、ご不安なところがあればお問い合わせください。